xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>66 夏目央
(不意に、館の空気がざわついた。この館に住まう者はそれが何を意味するのか、皆知っている。他でもない、新たな死にたがりがこの館へと招かれたのだ。この館にも規則が幾つか存在する。本来来客対応には向かない筈の己が渋々玄関ホールへと足を運ぶ理由でもある規則のひとつ、"死にたがりが招かれた時、玄関ホールに最も近い場所に居る者が最初の迎えに向かうこと"に従って、ひんやりとした空気の立ち込めるホールへと姿を現した。しゅーっ、と蛇独特の音と共に長い舌をちらつかせながら、今まさにこの館へと招かれたばかりの少女へと近づいてゆく。じっくりと、舐める様な眼差しでその姿を観察し、彼女が何か声を発するよりも、或いは恐怖に駆られてその場から逃げ出そうとするよりも早く、しゅるしゅると蜷局を巻く巨体が彼女の体を閉じ込めた。やがて人型をした上半身が彼女の正面へ、躊躇いなく初対面の彼女へと伸ばした手は細い指先でくい、と顎を上向かせ「ふうん…まあ、思ってたより悪くないわね。」と遠慮の欠片も無い一言と共に、顎の輪郭をなぞった指でそのままダークブラウンの細い髪を梳かし)叫ぶのも、泣くのも、喚くのも止めて頂戴。煩いのは嫌いなの、良いね?
フン、どっちだって良いわよ。アンタがアタシの美しさを潔く認めさえすればね。
少し時間が経ってるけど、ちゃんと拾いに行ってやるわ。
このアタシが直々に迎えに行くなんて、滅多に無いわ。感謝しなさい。
まあ、せいぜいゆっくりしていくことね。
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