xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>236 夏目央
その手の物なら、アンタが食べたいと一言言えば幾らでも出てくるわよ。アタシなんかより、よっぽど世話好きな連中が此処には居るわ。(甘い物の類は基本的の好まぬ身としては、先程からさくさくと順調にクッキーを食べ進めてゆくその姿は身勝手ながら理解し難いものがある。バスケットの中身が減ってゆくに越した事はないのだが、あのバターの匂いの塊をよくもまあ次々と口の中へ放り込めるものだ…とでも言いたげな表情で彼女の動きを眺めていた。己にとっては、甘さのないこの紅茶の香りの方が最早比べ様もなく心地良い。彼女が此方を観察するかの様な眼差しで見詰めている事にも、その理由にも気が付いている。そして、其れを謙遜するでもなく寧ろ当然だと言わんばかりに受け止めているのは己の中のナルシズム故。さあクッキーの味に飽きるまで後何分保つか――そんな思いが透けて見える退屈そうな眼差しが僅かにその色を変えたのは、日頃彼女が見せる空虚さとはやや異なる姿勢を見た瞬間の事。矢継ぎ早の質問に一度は怪訝そうな顔をしたが、はあ、と短く息をついた後にゆっくりと瞼を落としては「女なら女らしい格好を心掛けな。一先ず、今のその格好は却下とだけ言っておくわ。」とまずは上下スウェットと言うスタイルに対しての評価を。それから更に「濃い化粧は嫌いよ。素の平凡さを誤魔化す程度…アンタはまだ若いんだから、薄化粧で上等だわ。似合う色は自分で見つけな。好きな色は紫、アンタには似合わない色でしょうけど。」と彼女からの質問には一通り言葉を返す姿勢を見せて)
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