xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>103 レノ
少しは……落ち着いてきた、か?(彼を迎えたのが自分で良かったと、我ながらそう思った。少なくとも最低限の世話を焼く事の出来る住人であればどうにかなっただろうが、案内役に不向きな数名が迎えに来ていたらと想像すればそれだけで溜息をついてしまう。未だ苦し気な呼吸を続け、瞳いっぱいに生理的な涙を溜めながらその苦しみに耐える姿を見守る姿には、彼とよく似た不安の色が滲んでいた。背中をさすってやる手をそのままに、そろりと声を掛けながら空になったグラスを彼の手から受け取って黒い塊へと手渡す。ああ、何とかなった。ほっと胸を撫で下ろすその安心感からつい、ふう、と息が漏れ、彼の顔を覗き込む為にきゅっと丸めていた背中を伸ばそうとする。が、再度此方へ伸びてくるその手に気がついた直後、縋るものを探して弱々しく呟く声から意図を察すると「ああ、ほら。ここだよ、ここ。」と、彼の手の甲に自分の掌を重ねるようにして頬へと導いた。確かな温かさをもつ掌が頬に触れると、彼の命を改めて感じ取ることとなる。とくん、とくん、と鼓動を伝える掌にすうっと目を細めながら「な?お前はまだちゃんと生きてるんだって、よく分かったろ。」と苦笑いして)
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