xxx 2017-12-05 23:46:58 |
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>102 マリウス
それじゃあ、丁度蔵書室の管理をしている住人が居るからご紹介するわ。
名前はファントゥーム。
彼は物静かだから、きっと貴方の邪魔にはならない筈。
あまり愛想の良い子ではないから、初めは少し取っ付き難いかも知れないけれど、悪い子じゃないの。
この館で暮らしている時間はあたくしの次に長い古参よ。
館について知りたい事があれば、聞いてみると良いわ。可能な範囲で教えてくれるんじゃないかしら。
(館には不思議な事が幾つも存在するが、この蔵書室もその内のひとつ。間違いなく館の中に存在していながら、館の外観から判断すれば間違いなく収まる筈の無い規模をもっているのである。宛ら、国立図書館とでも言うべきか――世界中の様々な国、様々な時代、そして様々な分野の本が集められ、ドミノの様にずらりと並んだ高い本棚にぎっしりと収納されている。本の数には明らかに比例しない、李世車用の木製机と椅子がぽつんと中央部分に置かれているのも特徴のひとつだ。本棚にはそれぞれ可動式の梯子が取り付けられているが、何せ本棚の一番上の段を目指そうと思えばそれなりの高さまで上らなければならない。この不便な造りをどうにかしようと思えばそれは造作もない事である筈なのだが、このままにしてあるのにはきちんと理由がある。蔵書室は、ギャルソンの分身若しくは館に住まうとある男によって管理されており、彼らの手を借りる事で利用者は簡単に目的の本を手にする事が出来るのだ。基本的に、蔵書室には先に述べた者のどちらかが居る。そして、この日の蔵書室の管理者こそ、館の住人である己であった。ふわりふわりと宙を漂いながら本棚に詰め込まれた本の背表紙を眺める姿は、どうやら一日掛けて本の整理を進める所存と見えて)
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