Destiny ─ 始まりの冒険の書 ─ / 非募

──…ここまで来れば安心だな。ヴァン、周りを見張っていてくれよ。( 彼女を抱き抱えヴァンの元に戻る間も伝わる彼女の震えや時折鼻を啜る音に余程怖かったのだろうと胸が痛み。特別な言葉をかける代わりに抱く腕に力を込めると、待っていたヴァンに一声かけ。そっと彼女を下ろすと、申し訳なさそうな表情で真っ直ぐに見つめ ) …すまない、マユ。お前を守るなんて偉そうな事言って、怖い思いさせちまって…。情けなくて合わせる顔がねえよ…。( 怯えさせた上に怪我までさせてしまい、辛そうに視線を外し。道具入れから処置に使う道具を取りだし怪我の手当てを始めるも、己の無力さに堪えきれず悔しげに呟いて ) …ごめんな、少し滲みるぜ。こんな時回復魔法が使えりゃな…。