【リレー小説】惣兵衛×九重桜【コラボ作品】

【リレー小説】惣兵衛×九重桜【コラボ作品】

物草 惣兵衛  2017-11-14 04:24:08 ID:c196a580b
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二人で綴る物語。
手法はリレー小説を用います。

一応こちらは「とりあえずのお試しトピ」になります。ですので、物草惣兵衛と九重桜以外の方の書き込みはお控えください。

このトピでのストーリーを進めていくことで、リレー小説を作り上げていく上での様々な問題点や注意点などを発見し、改善し、より完成度の高い一編の「作品」を目指すことを目的として本トピを立てました。

ここでの物語を見て、あなたが感じたこと、思ったこと、ご意見、ご感想、また「参加してみたい」と思って下さった方は、下記のトピへお気軽に書き込みお願いします。
http://m.saychat.jp/bbs/thread/626060/

鬼が出るか蛇が出るか。それは書いている本人ですらわかりません。それこそがリレー小説の醍醐味でもあると考えます。

前口上はこのくらいにして
さ、ゆるりと参りましょうか…。



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  • No.2 by 九重桜  2017-11-17 10:20:17 ID:16e00feef

追跡者はそこで立ち止まった。ほとんど黒に見えるぐらい濃いグレーのボーラーハットの下で、その持ち主の口元が歪む。

「オレたちは?」

トーンは低くても、その声はどこか楽しげであった。逃げ場を失った獲物に詰め寄る補食者の余裕。確固たる決意に基づいた殺意。追跡者が今、纏っているのはそういった果てしなく冷酷な雰囲気であった。思わず、倒れている男も荒く紡いでいた息を詰まらせる。

「その『オレたち』ってのは、誰と誰だい? 俺やエリゼ、フィリベールなんかも含まれていたのか?」

追跡者は男に一歩、近づき、冷淡な口調で問うた。月明かりは尚も辺りの粉塵や壊れたマネキンたちに注いでいるが、追跡者の瞳はボーラーハットの鍔が落とす影に隠され、男には視認できない。ただ、声のトーンから判断しても、互いの立ち位置を考えても、見下ろされていることは確かに思えた。

「いや…ちがっ、違うんだ!ルード!聞いてくれよ!!」

「お前の口から聞きたいことももうない!」

彼等が訪れるまでは、長く静寂に包まれていた廃工場の一角に、初めて荒げられた追跡者の声が響く。続いて、その手が持つリボルバーの先端が、喘ぐような調子で弁解を試みた男に向けられた。

「家族ごっこも終わりだね…さようなら、父さん…!」

━━こんなはずじゃなかった…。

言葉にならない思いはただ胸の中に、男は追跡者の指がリボルバーの引き金にかかる様を、恐怖に引き攣った表情で凝視することしかできなかった。

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