Canopus【劇団／3L】

＞ベル

いや、何をしていたわけでもないんだ。少し裏で休んでいただけさ。レアティーズの奴が本気でぶつかってくるもんだから、くたくたになっちゃってね。皆、本番になると熱が入りすぎるんだろうな。
（躊躇いがちに重ねられた手を軽く手前に引いて相手が起立するのを助け、高いパンプスの踵が床上に真っ直ぐに付けられたのを確認した後、そっとその手を離して。呟くようにかけられた問いの後に相手が僅かに表情を曇らせたのを見逃さず、少なからず何か今、彼女の中に不安を感じる要素があるのだろうなとぼんやりとした推測を立て、声音をより一層明るくして言葉を返した後、「それとも歳の所為かな。」などと軽い冗談を加え、肩を竦めながら眉を下げて笑いかけ。「さて、」と両手を合わせてぱちんと鳴らしては、くるりと踵を返しつつ）
カーテンコールは終いにしよう。明日の演目まで、舞台も休ませてあげないとな。


＞シェリー

大した用事なんて無いんだよ、ただ夕飯の買い出しついでにちょっとこっちまで来てみただけ。ほら、上演が始まる前に、急がないと。
（さあいざ劇場へと足を踏み出そうとするや否や、遠慮がちに引き止められてはきょとりと数度目を瞬かせて。こちらの都合を気遣ってか道案内を任せることを躊躇っている様子の相手に、自分には何ら支障の無いことを伝えた後、心配するなと意を込めて片手を顔の横でひらりと振ってみせ。ふと点灯夫が街路沿いのガス灯に手際よく点火していくのを横目に見ては、できれば完全に日が落ちきる前に彼女を目的地まで送り届けたい、そうすれば上演開始の時刻までに幾分余裕もあるだろうと算段を立て、気が逸るままに手招きしつつ相手を先導し歩きだして）

（/差支え無いようで安心致しました！お優しいお言葉までありがとうございます。背後はこれにて下がらせて頂きますので、また何かご相談などございましたらいつでもお声がけ下さいませ。こちらへの返信は不要です。）