主 2017-10-25 21:58:17 |
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▶世界観
大陸の西側に位置する王政国家【ファルメシア】王国は、隣接する国々と貿易を交わし成長し続けていた。しかしそんな富や国を奪おうとする他国からの侵略は絶えず、長い戦争が繰り広げられていた。
そんな中で、1人の科学者がある“兵器”を生み出した。見た目は人と変わらないが、中身は機械。感情を持たず、ただプログラムされた命令に従う【人造兵器】、名を「イデア」と呼びその幾多の失敗の中で産まれた最初の成功品に、彼は「マーガレット」と名付けた。
人並外れた身体能力を持ち、地を蹴れば戦場を駆け抜け、その拳は装甲車を破壊し、その体は降り注ぐ弾丸の中でも耐えられる、究極にして最悪の兵器を彼は愛した。
だが、科学者であり孤独であった彼はマーガレットに夢を重ねた。
非人道的であると知りながら、彼はマーガレットに人間の脳を、かつて想いを寄せたが病に倒れた想い人の脳をデータにマーガレットの頭へと植え付けた。
だが、マーガレットに【感情】や【心】が生まれることは無かった。
やがて戦争は終結し、「イデア」の製造も中止され残った兵器は処分が決定し国中にある「イデア」の回収が始まった。
しかし、そこには兵器としての【イデア】が集まったが、脳を植え付けられた数十体のイデアの姿は無かった。マーガレットの姿も無かった。
科学者は、嗤った。何の感情も示さなかった兵器が、人間と同じように仮初の感情に縛られたのだ、と。あの子らは、自らの意思で処分されることを拒んだのだと。
彼の発言で、「イデア」に非人道的実験を施行したことは国中に広がり、感情を持った兵器が人を襲うなど、たちまち噂は広がり一刻も早く、処分を求める声が集まった。
そこで政府は、急遽本来処分するはずだった「イデア」のプログラムを書き換え、逃亡している「イデア」を「トガ」と命名し、それらを見つけ次第抹殺するよう命令を出した。
また、政府直属の部隊として「トガ」抹殺を目的とする特殊部隊も編成し、国を上げて作戦が決行された。
しかし、国民の中には「トガ」を人と同じように扱い匿う人々も出てきており、反対派と衝突することもある。
そんな中で仮初の感情を持った彼らが手にするのは本当の心か、それとも絶望の未来か……。
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