赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>伯爵夫人
戴こう。白ワインはあるか?
(密かに期待していた酒の話を相手からしてもらえたとなれば微かに弧を形どる口元に嬉しさが表れてしまい。片手に持っていた兎からの頂き物――小瓶に視線落としてはきっとこの蜂蜜にはワインが合うだろうと。軋む階段、底が抜けやしないかと内心冷や冷やしながら上れば帽子屋邸と比べて薄暗くどこかうら悲しい室内が蒼い双眸に映し出されて。一般的な家屋とは言い難いが占いを生業としているのなら不思議ではなく。外観から予想するに蜘蛛の巣だらけのホラーハウスとばかり思い込んでいたが、造りは古びていると言えど中はそう汚れておらず良い意味で適度に散らかっている。塵ひとつ落ちていない完璧な部屋なんかより何倍も過ごしやすそうに思えた。棚に並べられている置物は世界が違うからなのか生まれて初めて目にするものばかりで、感心するように瞳孔をすぅっと細めては“ほう”と低く呟き「語らなくても構わん。酒とこの場所だけで充分だ」床にごろんと転がっている椅子の背もたれを引っ張り上げて直してから腰を掛けると居心地よさそうに姿勢を崩し)
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