赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>三月兎
綺麗なものは鬱陶しくて好まん。
(久しくこんな澄んだ瞳を見かけていなかったから青目と視線が合えば息がつまる感覚に襲われた。手触りの良さそうなシルバーの耳や端正な顔立ちは誰が見ようとも美しいものであるが、絵の具があちこちに飛んだ白衣や皮肉がたっぷり含まれた世辞にも美しいとはいえない言葉遣いなんかは嫌いじゃない。延々と歩き続けていたから喉の渇きもあり、紅茶と聞けば少々物足りなさそうに酒はないのかと口をついて出そうになった言葉を飲み飲む。何であれ相手について行けばこの真紅の庭園から抜け出せるのだから。面倒を見てもらうなど、介護が必要な歳でもなければそんな外見でもない。眉間にしわを刻むと「見て分かるだろう?小僧じゃあるまいし、俺は一人で生きていける。」と、どうしても引っ掛かる言葉にだけは訂正を入れておく。珍妙な呼び名に文句を訴えるより先に、今はそれについて深く話してくれないのだろうと相手の歩みの速さで察したから渋々といった感じで片方の口角を上げればブーツの底をカツカツと響かせながら後を追うことに)
お前、と。俺、という呼び名でしか覚えられれる気がせんな。
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