赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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… 素敵なお名前ね、
( 幾分か距離の近付いた彼の口から出た名前を頭の中で反復し、まだ固い雰囲気を持つ口調でそう呟くように言い。次いで降りかかる言葉に治安がいいとは言えなかったものの居心地の良かった国を思い出し、心に黒い影が落ちるような感覚から無意識ながらに両拳をきゅ、と握りしめてみたものの、その更に先には先ほどとは比べものにならないくらい不安やら恐怖やらが押し寄せて。心臓を掴まれるような感覚に更に拳を握りしめ、何とか喉でつっかえる言葉を絞り出すように「 そんなの頼んでない、」と。状況が飲み込めない中 男なのに女王になるの、だとかどうでもいいことがいくつも頭を埋め尽くして現実逃避に引き込んでくる。心が弱い証拠だ。小さく口を開いて何か言葉を出そうと思ったけれど、淡々と説明する彼に対する罵詈雑言が出てくるでもなくたたま息が漏れ出て下唇を噛み。混乱だったり寂しさだったり心細さだったり、色んな感情が下唇を噛む強さを更に強くさせて。 )
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