赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>三月兎
――、(後ろを振り返った事で今度こそ声の主の存在をはっきりと認知した今、あれ程真っ直ぐスケッチブックへと向けられていた筈の注意力は既にその対象を変えていた。挨拶の言葉と共にポン、と頭の天辺に触れた掌に一瞬片目を瞑ったが、直ぐに好奇心の色を濃く宿したふたつの瞳がじっと相手を見詰める。何か返事をするでもなく口をぽかんと小さく開けたまま見詰めること十数秒、漸く開かれた口からは「きれいな兎。」と素直な感想が零れ落ちた。開けっ放しだった口を閉じ、そのままにぃっと左右の口角を上げて笑みの形を作り上げると「うん、よろしく。アンタはゲイジュツカなんでしょ、すごいね。ゲイジュツカで居ることもすごいけど、見ただけでゲイジュツカだって分かるのもすごいね。オルガ、わかりやすいのは好きだよ。」と、相手の着ている白衣をくいくいと引っ張る。「何してるの?おさんぽ?」と体ごと相手の方を振り返るなり、こてんと首を傾げて)
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