赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>トゥイードルディー
頼り甲斐のある殿方は魅力的ですわ。(分かり易い、彼を見ていてそう思った。此方の言葉や行動に対し、シンプルな反応を見せるその様は、不必要な警戒心や懐疑心をもたせる事なく会話を楽しませてくれる。頬を掻く仕草が何だか愛らしく感じられ、思わず零れた笑みを再び扇子で隠しながら視線を前へと戻せば浮かべた笑みと同じ柔らかな声でそんな返事を。初対面でありながら自然体で居る事の出来る、心地良く弾む会話を楽しみながら辿り着いたのが厨房だと気がついたのとほぼ同時、ふっと鼻腔を擽った赤ワインの芳香に「まぁ。」と声を漏らして瞬いた。今まさに彼がそう言った様に、クリスマスの訪れを象徴するその温かな香りにほっと心安らぐ様な思いで表情を綻ばせれば「えぇ、本当に。あたくしの好きな香りのひとつですの。」と、彼の傍に立ち用意されたグリューワインとシュトーレンに視線を落として。スムーズな動作でワインを注ぎ、シュトーレンを切り分ける彼の手元を眺めつつ「慣れていらっしゃるのね。」とそんな一声。日頃この手の事は殆どしない、だからこそ女の自分に出来ないそれをこなせる男性、と言うだけで感心に値する様でついまじまじと見詰めてしまった。そうこうしている内に移動を促されればは、とした様子で彼に続き、ムードと言う点では幾らか劣るものの、大勢が集まる場所の賑やかさから敢えて抜け出して拵えた小さなパーティーの場。そう思えば、何やら童心に帰った様な楽しさが込み上げてきた。用意された場所にそっと腰を下ろし、冷えた掌を優しく温めるグラスを両手で包み込めば「メリークリスマス」と応えた後にグラスへ口をつける。こくり、ほんのりと湯気の立つグリューワインを一口喉へ流し込めば、馴染みのあるその優しい味わいと香りに垂れがちの目を更にとろん、とさせながら「美味しい。」と素直な感想を口にして)
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