赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>トゥイードルディー
あら、素敵なお名前ですこと。あたくしは、シャルロッテ・フォン・メレンドルフ___お好きな様に呼んで頂いて構いませんわ。(薔薇の蔦から救い出す様に手を引く彼に身を任せ、数歩進んで薔薇の花から距離を取る。薔薇へ語り掛ける事に夢中になっていた所為か、柔らかな粉雪が薄らと肩や頭の上に積もり始めていた事に気が付かなかった様だ。両手でさっとスカートの皺を伸ばし、一度姿勢を正してから両手でスカートの両端を軽く摘む。貴族式の挨拶、カーテシー___片足をすっと斜め後ろへ引き、片方の膝を軽く曲げる様にして一礼。ぷっくりとした唇に緩やかな弧を描き、改めて正面の彼と向かい合えば「御見知り置きを。」と一言添えて。現時点で、己はまだやけに鮮明な夢の中に居るとばかり思っている。だからこそ、彼の語る言葉も見慣れぬこの景色も決して疑おうとはしなかった。まして、この様に丁寧な扱いを受けているとなれば、この理不尽な寒さ以外には不満に思う要素がなく、「不思議の国、女王様候補……ふふ、素敵なお話ですわね。あたくしとっても興味がありましてよ。」と寧ろ上機嫌な様子だった。何やら様々に持て成しが用意されているようだったが、今は兎に角暖を取りたいと冷えた身体が急かしている。雪の降る庭園を離れようと歩き出す彼の背に続いて歩き出すと、両掌で腕を摩って温めに掛かりつつ「まぁ、是非とも頂きたいわ。蜂蜜をたっぷり溶かしたグリューワインの味が恋しくなっていた所ですの。」と何ともタイムリーな彼の言葉に食いついた。あまり理解の追い付かぬ内の案内、それを無視して勝手に歩き回るのは冷えた体には少々負担が大きかったらしく一先ずは大人しく従って部屋の前へ。どうやら此処で着替えを済ませるのだと言う事を理解すれば「社交の場に普段使いのドレスでは失礼ですものね。こんな寒さの中申し訳無いけれど、暫く其処でお待ちになって。」とメイドに連れられるまま部屋の中へ消えていった。着替えには長い時間を要するのが常、待たせていると言う意識が欠けているのか、特に遠慮するでもなくたっぷりと時間を掛けて用意されたドレスへと召し替えを済ませる。漸く開いた扉の先に立つのは、華やかなシャンパンカラーのパーティードレス。ふんわりとボリュームのあるシフォン生地のプリンセスラインと詰襟、ベルスリーブ、きつく締め上げられたコルセット。髪型はそのままに淡いブルーの花のコサージュを飾った姿。白いレース造りの扇子で胸元を扇ぎつつ「コルセットを締めるのについ時間が掛かってしまいましたわ。」と疲れの色を滲ませて)
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