赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>黒兎
(初めは掌の上にちょこんと乗る程度の大きさだった雪玉も、ふんわりと柔らかい雪の上を幾度も転がされる内に少しずつ大きくなり、いつの間にか大振りのスイカ一つ分程度にまで成長した。10分と言う限られた時間の中で完成させるとなると、あまり極端な大きさにしていては間に合わない。雪を纏わせるだけでなく時折ぺちぺちと手で叩いて硬さを持たせた雪玉を「よいしょ、」と抱え上げると、寒そうに体を丸める相手の目の前にそれを下ろして「これ土台ね、あと何分?」と言い終わる頃にはもう既に頭の製作に取り掛かっており。指先まで赤くなり、悴んだ手を時折擦り合わせればはーっと息を吹きかけて温める。痛い程の冷たさも、それで十分凌ぐ事が出来た。思えば、ふわふわとした兎の耳をもつ彼に惹かれ、本来あのまま独りで静かに心と体を休める事が出来た筈の所を無理矢理こんな寒さの中へ連れ出しておきながら、今やすっかり気持ちは雪だるまに集中している。今はただ、雪遊びがしたいと言う気持ちが8割、彼に雪だるまを見せてあげたいと言う気持ちが2割。散々駆け回って出来上がった2つ目の雪玉を土台の上に乗せ、とんとんと上から叩いて固定すると「出来た出来た、どう?」と得意気。徐に斜め掛けの鞄の中から、水玉の包み紙に包まれた大きめの飴玉ふたつを取り出すと、包みを解いた葡萄味のその飴玉を目玉よろしく雪玉に埋め込んで)
ふふふっ、ほら見て!おじさんの目と同じ色だよ、オルガこの色好きなンだ。
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