赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>黒兎
(小生意気なガキめ。などと思われてしまってはそれまでだが、生憎人から受ける評価など殆ど気にも掛けない、そんな図太い性格をしていた。それでも未だ幼い子供である事に変わりはなく、怒鳴り声のひとつでも浴びせられれば流石の口達者ぶりも多少は落ち着きそうなものだが、相手からの反論が無いとなれば尚拍車が掛かってしまう。とは言えあくまでそう言う性格なのであって、悪気は無いのだと言う事を示すように相手を見詰める眼差しや向ける表情は純粋無垢な幼子のそれであり。受け取って貰えなかった彼の上衣は"あれ?"とでも言いたげな顔で差し出されたままだったものの、次いだ言葉を耳にして漸くその理由を察すると、瞳を大きく開きながらぱあっと表情を明るくさせて。ぶかぶかの上衣をさっと羽織り、余った袖をぐいと捲り上げる。タイムリミットは10分、やりたい事だらけの自分には些か短い時間だが、それでも城の中へ強制的に連れ戻されるよりずっと良い。「"Merci!"(ありがと!)」と、元気の良い一声と共に足元の雪を掬い上げると掌の中に小さな雪玉を拵えた。「ふふっ、嬉しかったんなら素直にそう言えば良いのに。そしたら、オルガも嬉しかったよ。次はもっと大きいの作るから、見てて。」と、それを積もった雪の上に落とし、両手でころころと転がしながら成長させてゆく。ずり落ちてくる袖をその度に捲り直しつつ、宛ら子犬のように辺りを駆け回って)
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