赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>蜥蜴のビル
確かに、そうなってたかも知れない(じっとしていられなかった事、今回はどうやらそれが功を奏したらしい。夢中になって駆け回っていた所為で気が付かなかったが、ふと足元に目を遣れば先程まで城を目指して何度も同じ場所を巡り巡っていた無数の足跡が残っていた。然しそれも体力が保っている間の話、翌朝にはそれこそ本当に相手の言葉通り、真っ白な庭園の隅にぽつんと雪だるまが完成していたかも知れない――そんな光景を思い浮かべれば、困ったように笑いながら頬を掻いて。気になる事も聞きたい事もいくつかあるが、駆け回るのを止めた途端に今度こそ耐え難い寒さが容赦無く襲撃に掛かっている。冷気に晒される肌を少しでも守ろうと捲っていたシャツの袖を伸ばしつつ「先生、いつの間にこんな面白い事用意してたんだろ。何にも聞いてなかったんだけどなぁ」と、どうやらこの状況を病院が用意したサプライズか何かだと思っているのか何やら楽しげに喉奥を鳴らし。そんなめでたい思考の持ち主であれば、当然"パーティー"などと魅力的な単語に食いつかずに居られる筈もなく「パーティーか、そりゃ良いな。でも俺、今この服しか持ってないんだけど、どうにかならな――っ、すごい」早速気持ちはクリスマスパーティーに向いている。着ているシャツの胸元を摘んで引っ張りつつ、貸衣装の類は無いのかと尋ねようとした言葉はしゅるりと覗いたその長い舌を見るなりぷつんと途切れた。金色の瞳を驚きと好奇心の色に輝かせながら、一先ずは見失ったしまわぬ様にと相手の姿を追いかけ)
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