赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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(誰もいないお茶会とは辺りの音を掻き集めて全て持ち去られたように音無く静寂に包まれていて、カップを手離すカチャリと言う音ですら雷を打つように響くのだから不思議である。そんな空間だからこそ、水を差すようにぴしゃり、と響く人の声を聞き零す事は有り得ずに片方が倒れる耳をピクリと揺らし。ツン、と澄ましたような表情にピンと伸ばした背筋を合わせながら登場したばかりの同居人へ顔を向け、余計な物を移さないとでも言うように瞳を凝らせば水晶の如く反射させるほどに現れたその姿をマジマジと見詰め。時間は有るかと尋ねられたその質問とは面白い、無いと言えば終わる言い方に堪らず笑いが込上げそうになるのは矢張り己の性根の悪さが露呈されるようで。テーブルの上で両手を重ねる様に組み依然変わらず向けたままの視線で"ふ"と吐息を小さく漏らして「あるよ。――面白いことが待っているなら、ね」まるで試す様な表情で片方の口角を持ち上げる、小首をかしげるように頭を肩へ寄せると「ほら、……なぁに?」好奇心が無い人格など無いだろう、強かれ薄かれ誰もが皆抱えているのだ。己だって例には漏れない。新規のアリスが語る言葉や訴える何かが気になって仕方なければ形の良い唇が次に綴るべく言霊を待ち詫びるように口を噤み、再び一人きりの時と同じ静寂を作り上げれば現金にも耳だけは確りと集中して)
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