赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>ユニコーン
――…うるせえ、(可愛くない、否定をした所で相手が首を縦には振らない事をよく知っていた。正直な事を言えば、それが褒め言葉であると分かってはいても手放しには喜べないし寧ろ不本意ですらある。それでも強く否定もしなければ拒絶もしない、ただただいつもと同じ短い一言を返すのみであったのは己を"可愛い"と言う時の相手の表情が内心嫌いではなかったからで。まるで幼子でも眺めているかのように優しく穏やかな表情を向けられる事が擽ったく、ついそんな視線から逃げるように顔をやや斜めに逸らしていたものの不意に口元へ運ばれてきた一粒に気が付くと小さく眉を上げ。照れ臭い、素直にそう思った。その証拠に、相手と目が合ってしまわないようにと静かに瞼を伏せ、相手の手首を緩く掴んで位置を固定しながらぱくりとチェリーボンボンを口の中へ運んで。それから伏せていた瞼を上げ、手首を掴んでいた右手を離してそのまま不意に相手の横腹を掴むように手を添えれば「だったら飯ももっと食え。」とその細っそりとした体つきに対してそう告げて)
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