赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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『緑衣使者様
ご機嫌よう、まだ会ったこともない誰かさん。
小鳥さんを取り纏めていらっしゃるのは今手紙を読んでいる貴方かしら。
此処は不思議なところだけれど、それでも小鳥さんだけでは仕事として成り立たない部分もあるでしょう。
だから、きっと彼らを手助けする人、この手紙を読む貴方がいるんじゃないかと思ったの。
小娘の浅知恵に付き合わせてごめんなさいね。
このお詫びは今から直接言いに行くから、その場で待っていて頂戴。
企みが上手くいけばもうじきあなたに会いに行くわ。
アリス達の中のひとりより』
__さあ”小獅”、行きましょう。……お仕事を邪魔してしまう訳だから、小鳥さんにも後でお詫びをしなくちゃね。
(たった今書き終えた手紙を便箋に閉じれば窓の傍にある鐘をちりんと鳴らし、程なくしてやってきた小鳥にその手紙を託す。此度の手紙は誰かへの連絡のためではなく本懐は別の企みにあり。先日この世界において小鳥が手紙を届けるというシステムが確立していることを幸か不幸か身を以て知ってしまった訳だが、半信半疑であっただけにその事実に思わず興味を抱いてしまい、聊か強引な手段ではあるものの誰に宛てても届いてしまうらしいその仕組みを利用することで郵便の小鳥たちを取り纏める存在に会いに行くことを画策して。恐らくいくら小鳥達が有能だとしても及ばぬ部分は誰かがカバーしているはず、そう推測した上で西洋文化に寄ったこの国では馴染みのある者も少ないだろう母国の言葉で『緑衣使者(郵便配達人)』などと宛てれば届け先に迷った小鳥をフォローする誰かの元まで繋がると企んで。とは言え私欲のために小鳥を混乱させることには流石に罪悪感を抱かざるを得ず、後のお詫び用にハンカチに包んだ乾燥とうもろこしをポケットに忍ばせ。この世界にきて初めて自ら事を起こすことに僅かな高揚感と一人きりで出歩く故の微かな不安感、それらを解消させるように道中のお供としてライオンのぬいぐるみを抱えればそろそろ飛び立つであろう小鳥を見失わないよう急ぎ外へと駆け出していき)
( / お相手させて頂き光栄でございます…!此方ももしかすると寝落ちという形で消えてしまう可能性もありますが、何卒時間の許す限りお相手させて頂ければ幸いです/蹴り可)
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