「アリス、アリス。そっちじゃないよ、ほぅら、こっち」
誰かが誘導する。導くように進むべき未知な道を。
「みんな、新しいアリスがきたよ。白兎、書類の準備を。チェシャ猫、悪戯はまだ駄目だってば。ライオン、お得意のホットミルクで出迎えてあげたら?」
誘導される声が他にも誰かが存在する事を説いている。
時折、アリスアリスと囃すような声が遠くに―――。
「 助けて、アリス 」
最後に聞こえたのは苦しそうに綴られる女性の声だった。
「 」
繰り返されるアリスアリスアリス……。
僕は私は俺はアタシは”アリス”だったのか____。
>再建トピ