赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>チェシャ猫
あら、あなたうさぎさんと知り合いだったの?(何か納得しているらしいチェシャ猫にそう声を掛ける。猫の言うところによれば、薔薇は確かに悪戯をするが良いところもあるらしい。話を聞いているうちに、肩の力が抜けて行く。「なぁんだ、てっきりどこかへ連れて行かれちゃうのかと思ったわ。思ったより悪い花じゃないのね」ほっとしてそう答えると、肩から掛けていた革の鞄を開いた。「うさぎさんってちょっと口が悪いみたいね。でもあなたと友達なの、なんだか分かる気がするわ」言いながら、中から取り出したスケッチブックを開く。落ち着いて辺りを見てみれば、真紅の広がる美しい景色は描きがいがありそうだ。色を塗る道具もメイドから借りれば良かった、と思ったが、とりあえず万年筆で薔薇を描き始める。絵の道具に関してはきっとあの兎の方がいいものを持っているだろう。また今度借りようかしら、と思いながらぐるぐるとした小さなうずまきを描き出した。)
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