赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>チェシャ猫
(行き先をつらつらと猫が述べる。図書館にはきっと見たこともない絵本がいっぱいあるのだろう。厨房にはこの前食べたような素敵なお菓子があるのかもしれない。そして隠れ家はきっとこの猫しか知らない。少しの間考え込んだものの、結局「隠れ家を見せてもらってもいい?」と口を開いた。こんな怪しい猫について行くのは危険だが、気になってしまったのだから仕方ない。万が一危ない目にあったら今度こそしっぽを引っ張って逃げればいいのだ。にんまり笑う猫がしっぽをくゆらせながら歩き出したので、ポシェットを掛け直し、慌てて痩せた背中を追いかけた。)
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