アリスは憂鬱な夢を視る（　半無登録　/　NBL　/　提供おじさん　）

＞ヨハンナ

(やってくれと頼まれて行った訳じゃない、更にはこう言ったイメージの部屋がいい等のリクエストだって一切聞いていない。自己満足の塊にも関わらず伝えられた真っ直ぐな感謝の言葉はさらりと避けるには重すぎた。急に暑くなった感覚にらしくないと顔を背け、横目に盗み見た大きな頷きがより一層と先の羞恥を煽るばかり。不慣れな羞恥は居心地が悪く、工具を工具箱に纏めれば逃げるように退散をしようと思っていた。そんな己の行動を読むように帰ることを咎められれば、差し出されるフレンチトーストにあんぐりと口を開けて。無骨な手を差し出して受け取れば、それが己のお気に入りの店の物だと直ぐに察し。彼女の言葉からこれがお礼なのだと気が付くと「バーカ、これは出来たてが美味いんだぜ」と減らず口を、下手な照れ隠しはくしゃりと隠せない笑みが顔に浮かぶまま″サンキュ″とお礼の言葉を告げて。消えることなく浮かぶ羞恥に耐えきれず、彼女の頭を乱雑に撫で回せば「食うぞッ」とその声に合わせてどかり、と胡座をかくように座り込んで)