アリスは憂鬱な夢を視る（　半無登録　/　NBL　/　提供おじさん　）

>赤の騎士

フルーツサンド、か。ビルさん結構可愛らしいものが好きなのね
(あの強面がそれを食す光景を何となく微笑ましく思い浮かべてはクスリと笑いを零し。フルーツサンドに蜂蜜飴。もしや甘党かと意外な側面を見た気がして、心弾ませて。人の、それも好ましく思っている人の新たな一面を発見することは先程食べた生チョコレートと同じく、甘さを含んだ喜びで。買うものも決まりいざ注文を、というとき最後に告げられたある意味一番のアドバイスに、やましい所があるわけでつい迷うような表情を浮かべ。自分より長い年月一緒に過ごている彼の言葉を信じ好物を買って帰ればきっと喜んで貰えるだろう。けれどそれは既に結果の分かった出来レース、浅知恵を働かせ人に聞いたまでのもの。自分で考えずに買ったものが果たして本当にお礼といえるだろうか。悶々と一人質疑応答を繰り返しそれでも答えの出ない状況に、満足してもらえなかったら今度は違うものをプレゼントすればいいんだわ、なんてやけくそのように蹴りを付け自分で決める事を選択して。投げやりではあったが、一度そうと決めれば心は軽く暫しの逡巡の後、選んだのはフレンチトーストとジュース。内装を変えるというのがどれ程の作業かは知らないが、動けばお腹は減るもんだからという考えからのチョイスで。自信の程はと聞かれたら不安はあるけれど、考えられるだけ考えたから悔いはない。それ故に晴れやかな笑みで振り返り「決まったよ」そう選んだものを掲げて見せて。)