アリスは憂鬱な夢を視る（　半無登録　/　NBL　/　提供おじさん　）

＞ライオン
＿＿ッ、え……。
(無意識に手が伸びてしまったのはこの短い時間の中でも相手を頼ることのできる存在だと心から感じることが出来たからこそだろう、それでいて応えまでは求めていないからこその一方通行な行為に対する相手の反応は全く持って予想外のもので。相手を頼って伸ばした手を握ってくれたその温かさは、相手にその意識がなくとも"頼る"という行為を許された様に感じてしまい思わず息を飲んで。まるでいつか憧れた理想の父親の様、なんて出会って程ない相手に抱くにはあまりにはた迷惑だろう想いを浮かべてはすぐに理性で掻き消すものの、一度そう感じてしまった以上残ってしまった余韻の様な想いを込めて僅かに相手の手を握り返して。繋いだ手に導かれるままその歩みに続くと先程とは打って変わってきらきらと繊細な光を放つ装飾品の並ぶ店先へ、相手の何処かロックテイストの感じる男性的な身なりを窺えば武骨なシルバーのアクセサリーを目で追う様子も様になっていて、そのくせおもちゃを収集する子供と変わらない相手のぼやきにふっと吹き出すように笑ってしまえば「私は……あまり華美なものだと浮いてしまうから、繊細で少し華奢なものの方が好きね」未だ込み上げそうになる笑いを何とか噛み殺しながらぱっと視線を逸らし、改めて店先の装飾品に目を向け返答を告げ)