赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>ライオン
ッひゃ!……そういう貴方はちょっぴり残念な良い人ね。でも、今は貴方が完璧な良い人ではなくて良かったわ。
(元の世界ではそれなりに名の通る家に身を置いていたからこそこれ程までに距離感の近い男性など初めてで、何とか背中への鼓舞には耐えたものの続く予想外の額への衝撃に思わず驚いたような声を漏らしてしまい。一瞬何をされたのかとばかりに額を押さえながらぱちぱちと瞬きを繰り返すものの、相手のお茶目な反撃に大分その性分が理解出来てきた様子で。男性というより理想の父親というべきだろうか、距離が近くとも異性という壁を全くと言っていいほど感じない理由が分かり納得とばかりに眉を下げれば、慣れない地で最初に出会ったのが相手で良かったという旨を少しの羞恥心からか暈した言葉で口にして。そうしている間にも到着した商店街は自分の馴染みある風景とはまた違ったが記憶の風景と同じくらい活気に溢れた様に見ているだけで自ずと心が弾んでいき「生憎野菜は好物なの。そもそも私、好き嫌いなんてする程幼くないわ」言葉こそ応えるものの視線は色とりどりの食材や商品の並ぶ店先に興味深々とばかりに注がれ、そんな中はぐれてしまわないようにという意識が働いたのか半ば無意識に傍にいる相手の上着の裾を掴んで)
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