アリスは憂鬱な夢を視る（　半無登録　/　NBL　/　提供おじさん　）

>蜥蜴のビル

ゾワゾワしたらいいじゃない、その内慣れるわよ…多分
(ぶっきら棒な調子で言われようと自分の中で彼は既に「ビルさん」なのだ。呼び捨てなど恩人に対して如何なものかという話であるし、かといって君付けも彼には似合わないだろう。代替案が出ない以上今更変えるつもりなど更々なく、満面の笑みでさらりと無責任な一言を。欲しいものはと聞かれても試着に夢中で何も見ていなかった訳で、取り急ぎ何か口にしようと辺りを見渡して。だが聞こえた笑い声に何事かと顔を向ければ、腹を抱える彼の姿を目にし当の本人は、いや当の本人だからこそ疑問符を浮かべ笑いが収まるのを待ち。何をそんなに笑っていたのか理由が分かればぶーたれて口を尖らし「私が小っさいんじゃなくて貴方がでかいのよ」なんてそんな反論を述べよう。そのまま立ち上がってハーフパンツを履こうとするも、裾が長いためにワンピースみたいになっているのを見下ろしてはもうこのままでいいかと残りは袋に詰め直し。病院着よりマシだという意見には同意見だと頷きながら、似合う似合うと揶揄いを受けては敢えて「そうでしょう？」なんて口角をにぃと三日月形に歪ませて、お巫山戯でポーズを決めて。大仰な荷物だと思っていたらそんな大掛かりなことをわざわざやって貰えるとはまさか思ってもおらず、文句も何もと戸惑い半分嬉しさ半分で返事を返し。どうすると聞かれても、と思案顔で考え込めば、ふとこれまでのお礼を返す何かを見つけてこようと思い立ち。「それではお言葉に甘えて探検に行ってきてもいい？」そう口では尋ねる形ながらも、体はいても立っても居られないといった様子でソワソワ返事を窺い待ち。)