赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>ルツール
___此処に近付いちゃ駄目だって、教えて貰わなかった?(人目を縫う様に暫しの気晴らし、短い散歩を怒涛のネガティブに塗れながら過ごしてから一日の大半を過ごすドールハウスへの帰路に。少しの時間を経過するだけでも辺りは段々と茜色を濃くしていき、次第に夜が顔を出す事だろうと人の気配が無ければすっかりと他のアリスはこの場にいないと油断を生み、まさか木の幹に沿う様に人が居るとは思いもしない。呟かれた発言に"ドールハウス"の単語が有ればこそ耳を傾ければ声の方角を追掛けるように歩みを止めて、忠告のように考えるより先に留める発言が口を突いたのは思わず、と言った所。加減を知らない片割れは与えられた縫い包みを裂いて綿を出し、目のボタンをぶちりと千切る。それが面白いと思う心底嫌な奴なのだ、暗くなれば周囲の目も届かないと言うのにそんな我が家に足を踏み入れるなんて餌を抜かれた猛獣に近づく様な物、正気だとは思えない。「早く帰るか、鳥の家に囲って貰うかした方が良いんじゃない」正真正銘、まぎれも無いアリス。そんな彼女を正面より見詰める眼差しはじっとりとした空気を含み、浮かべる笑みだけは此処に居ない女王を彷彿とさせるようなもの。己にとってアリスはアリスと言うだけで恨めしい、そんな彼女に助け船を渡すのはそれ以上に片割れが憎くて仕方がないと言った物。"ほら、はやく"と夕日が浮かぶうちにと急かす言葉を一つ添えて)
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