赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>埜瀬
――もしも本当に帰りたいなら、名前を忘れてはならない。(一息つく暖かい紅茶は帽子屋邸で飲むほど出来た仕上がりではないが決して悪くない、ふわりと香るブランデーの香りが有ればこそ繊細とは言い難い己の舌には十分上等な物に姿を変えるのだから。そんな紅茶の温かな余韻を楽しむ間を数秒、投げられた質問はアリスと言うこの理不尽な状況下の中で当然とも思え、"ふむ、"と業とらしい間を一つ置いた後に帰るべきその時に鍵となるその条件を教え、「この国で一日を繰り返す度に、元々この国に生まれたのではと言うような記憶違いが現れる。元の国で何をしていただとか、あの店のあれが好物だとか、――最後に名前が思い出せなくなれば、生涯をアリスとして過ごす以外の道が消える。」かちゃり、とティーカップをソーサーの上の戻し確りと彼の事を見据えれば嘘偽りないその条件を、おまけ。と言った風の軽さを含んだ雰囲気でパっと表情に笑みを浮かべると「数日前までいたアリスが姿を消した、なんてことはザラに有る。決して珍しくないのだ、お前が本気で帰りたいと願っていればいつかその道が再び開かれる事も無いとは言い切れないな」彼が本来求めていたのだろう此方の答えを敢えて軽口として綴るのは、暗にこの国の住人と言う立場から折角迷い込んで来た彼が元のクニに戻る事を防ぎたいと言う思いからで。「とは言え、何をきっかけにすれば元のクニに戻れるのか。と言う所までは俺に解かりかねる。この国の名前たる由縁、不思議が多くてね」最後には茶化すような付け足しを忘れずに。答えを終えて数秒ほどは彼のリアクションを見る為に沈黙を生んだが、中途半端な知識だけでは可哀想だと生んだ気持ちからか「部屋に籠っていてはその切欠すらも見失うぞ。迷い込むときも、帰る時も、薔薇園からと決まりがあるようだ」そんな沈黙を裂く様に落ち着いた声色でアドバイスのような一言をそろりと忍ばせて)
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