赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>赤の女王
( 城に己の住居があると言われたからにはいかねばなるまい。久々の遊園地をめいっぱい楽しんでは充実感に満たされていたのもつかの間だ。辺りが少しばかり暗く滲んでき始めたのを見、現実問題に向き合わねばと溜息を吐いた。夜目が効かぬ彼に頼り使者を呼んでもらっては、お陰で無事城へと着いたはいいが、些か、否、かなり気が重い。日も暮れてきたからとその日はまだ対面を避けれたが、今日こそは挨拶に行かねばならないのだ。よくわからず迷い込んでしまったこの世界だが、仮にも柔い寝台に、温かい食事もふるまってくれているのだし、何よりこの世界のことを知るに一番手っ取り早いのがここであろうと目星をつけたからであった。なるべく機嫌を損ねず、好印象を持たれるように。果たしてそれがこの私にできるのだろうか。それに女王と聞くと、我が儘、身勝手、残忍。そんな印象に良くないキーワードばかり思い浮かぶ。前途多難、思わず頭を抱えそうになったところでノックが響いた。びくり、と肩を跳ねさせるも、まだ慣れぬ私を心配してのことだったらしいメイドに丁度いいと覚悟を決めれば「…すまない。今から女王と話がしたいのだが、可能だろうか?」と尋ね。突然な願いでにも拘わらず一つ頷いた彼女に付いていけば、一つだけ、他とは比べもにもならない程荘厳な扉に瞠目してから、その扉をノックする様子を眺めていて。 )
( / いえいえ、こちらこそ前置きが長く申し訳ありません…!
それに勝手に侯爵夫人殿とは別れて、城にいる前提なのですが大丈夫だったでしょうか? )
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