赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>ユニコーン
(渡したジャケットを羽織った相手が追い付いて来るとばかり思っていた。少しも寒くないと言えば嘘になるが、かと言って己にとっては何ら問題にならない寒さである。銀河の塔に戻ってから温まりさえすればそれで良いと簡単に考えていただけに、ジャケットを腕に抱えたまま近付いて来た姿には"何で"とでも言いたげな様子で眉を寄せて。ポケットの中へ突っ込んだ両手はそのままに、ジャケットを突き返されても受け取ってやらないつもりでいたのだが、暖かさを確保出来る筈の術を敢えて手放そうとする相手のその行動が己に対する思いやりがあってこそのものであると分かれば考えも変わり。再び己の肩へ戻ってきたジャケットを大人しく羽織ったままにしておく事にし、その代わりとでも言うべきか「風邪引いても世話はしねえからな…俺は。」と、己の優しさに対する相手の評価が照れ臭いのかそれを隠すように素っ気なく言い放って。おそらく自分でも気がついていない、仮に気がついたとしても認めようとはしないだろう。それでもひとつ確かなことは、心の何処かに"格好つけたい"と思う若さ故の見栄があると言う事。強く、優しく、頼れる男だとそんな風に思われたいと言う願望が根っこにあるのかも知れない。優しく髪に触れる手、いっそ聞き流してしまうべきかと思うような独り言染みた言葉にすっと目は細められ、ふとポケットの中に突っ込んでいた左手を出す。帰り道はまだ少し続く、先程繋いでやれなかった手を今度はこちらから捕まえてみようか。相手の手が己の頭から離れる前に左手でそっと捕まえてそのまま握り締めたかと思えば「…嬉しくねえ。」と前を向いたまま呟いて)
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