赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>侯爵夫人
いや、結構__君を信じる事にしよう。夢であろうとなかろうと、現状頼れる相手は君しかいないのでね。
(此方へ近付いて来るその姿を真っ直ぐな視線の先に捉え、まるで彼と合わせ鏡にでもなったかのように頭の先から爪先までをじっくりと観察する。せめてと夢であれと願う弱さ、然し夢でないのなら己はまた異常へ逆戻りかと嘆く弱さ。此処へ来てからと言うもの、見たくも無い己の弱さに直面せざるを得ない理不尽さに募る苛立ちの矛先となった薔薇の死骸を投げ捨て、彼の口から提供される情報に耳を傾けた。成る程、どうやら常識と言う物差しで計ろうとする事自体ナンセンスな状況に己は今立たされているらしい。青天の霹靂とも言うべき突然の状況下、敢えて簡易的に済まされた説明はまだ一定の冷静さを保つ頭には思いの外すんなりと馴染んでゆく。"ほう…"と相槌代わりに漏らした一声。一瞬足元に落とした視線をすいと上げて再び互いの視線を交わらせれば、酷薄な笑みを乗せた表情をその目に映し)
有難う。お陰で少しは今の状況を理解する足掛かりが出来そうだ__然しな、侯爵夫人。不思議の国へ迷い込むと言う不運を超える苦労など…そう有りはすまいよ。
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