赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>一輪
打ち首ねぇ、――なぁんでアンタらは女王陛下って聞いたらすぐに首を刎ねたがるんだか(皮肉のように伝えられたその単語に堪える事せずアハハと軽い笑い声を上げて、以前違うアリスからも女王の話題の際に首刎ねが出たことを思い出せば「一族も何も、アタシはアタシだけ。残念だったね」肩を持ち上げ竦める動作を行って指先を波打たせてヒラリヒラリ。続いた言葉の中に"夢の中"と在れば数秒程眉間を抑え言い辛そうに沈黙を生み、眉間に当てた指先を下ろせば「夢だと思うなら頬を叩いてごらん。此処は現実、アンタの妄想でも夢でもない」回りくどい言い方は中途半端な救いを生んでしまう。だからこそストレートな物言いで「アンタは元のクニから不思議の国へ選ばれて連れて来られた。そして此処は片道切符だけ、よっぽどの事が無かったら元のクニには帰れない」ボソりと地を這うような呟きに哀れと思うか、まごう事なき現実を突きつけながら「でも、此処も悪い所じゃないよ。家に付いたら美味しいお茶を入れてあげる」再び口元に笑みを戻しつつ、何処か卑屈な言葉の節々により意図せずとも感じ取ってしまう彼の元の環境を察しつつ「ウチは何屋でも無いけど――嫌味ったらしい芸術家の兎と、起きてるのが珍しい位一日中寝てる鼠がいるよ。アンタも暇が嫌なら仕事の手伝いしてくれて良いし……まぁ、見る場所も構いたがりも多いから。最初はそんな暇無いだろうケドね」彼が別に住みたいと言う場所が見つかるまでは滞在地にしてくれて構わない、空いてる部屋なら沢山有るのだから。と考えを浮かべた所で共に暮らす同居人が癖の強かったことを思い出し少しだけ渋い表情を目元に浮かべ。「何か言われたら言い返して良いからね。」特に口を開けばツラツラと嫌味を綴る兎は悩みの種だ、はぁと小さくため息を落としてから前以ての許可を与え。己のファッションをとち狂ったと表現されては堪ったものじゃない、マスカラを塗りたくった睫毛で縁取る瞳を大きく開くとズズイと遠慮なく顔を寄せ「アタシは好きでやってんの。」目を合わせる様に真直ぐ見据えつつピシャリと言い切りを、「アタシはねぇ、アンタが生まれてくるより前からこの格好だわ」己の姿に拘りを持つからこそ不敵と笑みを蓄えてから叱咤するようにパシンと彼の背を叩き「アタシの見た目で驚いてたら心臓持たないよ。ココにはもっと凄いのがたんまりいるんだから」勿論怒っているわけではなく、直ぐに声を高らかに笑い声を上げて。森を抜ければ見えて来た一つの屋敷に「此処が帽子屋邸、アタシの家でアンタが滞在する場所。部屋の案内は後でするね、今は約束通り。美味しい物を食べさせてあげる」敷地を跨げば中庭に抜けて、誰もいないお茶会の会場にて「お疲れサマ。ありがとね」と此処まで籠を運んでもらったことを感謝し、再度受け取り"好きな所に座って"と目元にゆるりと笑みを含みながら言葉を添えて)
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