赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>トゥイードルディー
( 躊躇いなく繋がれた手に驚きを示す暇も無く、導かれるままに足を動かし始めると忽ち深紅に満ちた庭の散歩が始まり。ジャケットを落とすことがないように空いているもう片方の手で襟を手繰り寄せると首元で合わせて摘まみ。偶々だなんて言い訳じみた理由に思わずまたくすくすと笑いが零れると「 そーお?じゃあ、私はとっても珍しいものを見ちゃったんだね 」 彼の羞恥を助長させるような一言を云い放ち。誘いに乗って貰えたことが嬉しい一方、その後に続いた紳士的な気遣いに悪戯心がゆっくりと首をもたげ。「 … ふふ、部屋までは送るけど、それから暖めてくれはしないんだ? 」 それが何を意味するか分からない相手では無いだろう。本気と見せかけるべく唇を結び、幾らか目を細めて彼を見てみた。のはいいが、我慢が出来ず直ぐに悪戯めいた笑いに切り替わってしまうと " なーんてね、" との声で改めて言葉を結び直し。「 はあい、分かりましたぁ 」 耳元で上がった密かな声は擽ったさのみを残して去って行く。こそばゆい感覚に漏れかけた声を夜だからという理由で間一髪飲み込めば、こちらも小さな声で応答を。「 そういえば此処って一体誰が管理してるの? 」 やや先を歩き手を引いてくれている彼の姿をしっかりと見つめながら、ふと気になった疑問を口にして )
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