赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>侯爵夫人
不思議なものだな、アリスというだけで君は私を疎まないのか。
( 目を瞬かせ、相手を見つめる。厚意を逆撫でされた気分だろうに尚も案内を続けてくれるという。初めての感覚に少しばかり頬を緩めてから、数歩後ろを歩いていた足並みを速くし、隣に並んだ。懇々と説かれる内容のスケールの大きさに顎に手をやれば「…女王候補など言われても想像がつかないな。」と呟く。衣食住が完備という高対応に流石候補者、餓死や野宿ということは無さそうでひとまず安心するが、アリスは愛もの。という言葉にはて、と疑問を抱く。女王候補という突拍子もないそれもおかしい。一体どうして私なんだ…?詳しいことは城の者に聞けとは言われたが…ぐるぐると深みにはまって行きそうになった時、軽やかな音楽と男の言葉によって一気に引き戻された。途端に目の色が変わって、わあ、と年甲斐も歓声をあげるのはピンク色に飾られた外装に、童心に返る可愛らしい風船。入り口から小走りで中を見渡せばコーヒーカップと思しきアトラクションが。屋台もやっているようで見て回りたいとうずうずする。「なあ、君も付いてきてくれるんだろう?」私だけでは迷子になるからとの建前で男に問えば「私は先ず露店を見ていきたい。君は?」と逃げ道をなくすように付いてゆく前提で話を進めて。 )
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