アリスは憂鬱な夢を視る（　半無登録　/　NBL　/　提供おじさん　）

>ムカデさん


( 何でもの言葉通り、命を取られること以外なら何を言われても実行するつもりだった。そんな言葉を言えたのは今までそう酷いことを言われた覚えがないことからくる所謂油断ゆえだが、例え酷いことをされそうになってもそれが愛ならば受け入れるつもりで。彼は一体どんな返答をしてくるのか、興味津々にその動向を見守っていれば間もなく彼の口から出てきた言葉に思わず、あれ、と間抜けた声が漏れて。硬派なのか我慢をしているのか、それとも抑々その気が無いのか。偶然だと断られては「 ふぅん … 貴方って優しいのね 」 とくすくす。此処に来た理由を宝探しかと半ば断定されるように問われては首を振る間もなく、続いた彼の楽し気な口振りには違うということさえも憚られて。違うと否定をすると彼自身も否定してしまうような、そんな不安定な均衡の上に立っている気分になっては少し逡巡してから、「 本当？ああ、良いこと聞いちゃった、！ なら今度は珍しい薬草を探しに来てみよっかなぁ 」 なるべく彼を傷つけないように言葉を選びながら計画を口にし。「 貴方はお薬を作っている人？ 薬草に詳しーの？ 薬草って、例えばどんな効果がある？ 」 薬草について、種類の一つも知らないそれらを男を喜ばせる知識の一つとして知りたがっては、手っ取り早く今最も近くにいる専門家に教えを乞おうと質問攻めに。)