赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>人魚さん
( 水族館でしか見た事の無かったサンゴ。それが今この手の中にあるのだと理解すればするほど、水面へ上がっていく水泡と共に消えてしまうのではないかとの錯覚が起きる。握り直すと確かに其処にあるのに。 「 そーお? … でも、やっぱりやめとくね。私が取っちゃったら、この世界が壊れちゃそうだし 」 今ここにあるそれ以外にも、水流に身を任せて漂う物たちは沢山見える。しかしそれらは世界を構築するための大切な材料であり部品でもあるのだから、一つでも欠ければ積み上げた全てが崩れ落ちてしまうだろう。折角貰った許可を不意にしてしまえば御免なさいと謝罪して。誰にでもそういうことは言わないと此方の質問に対しての答えが返ってくると、へえ、と予想していた答えと異なっていたことに声をあげ。てっきり平等を好む博愛主義的な答えが返ってくると思っていたのに。 「 … ふふ、有難う! 貴方も、この綺麗な湖に負けないくらい綺麗だよ 」一つ、また一つと広げた片手に指定された拾い物を乗せていれば、またもや直球な褒め言葉を告げられたことで手が止まり。本心からの言葉だと本人からお墨付きがある褒め言葉を掛けられて嬉しくないはずも無く、水に揺蕩う髪を抑えながら彼に向き直れば先ずは褒め返し、そして 「 世界中の綺麗なものを一つに集めて出来た存在って感じだねぇ、人魚さんは 」 と補足するように笑みながら告げては、片手に持った拾い物達は何処に置くべきかと首を傾けて。 )
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