赤の女王 2017-10-15 11:00:59 |
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>チェシャ猫
(得意げな笑みを向けられている事が悔しいのか、次は見てろよと言わんばかりに彼を睨み付けてやった。尤も今となってはそんな眼差しも何ら効果は無さそうだが。初めはそれこそ"コスプレ"などと失礼な物言いをしたが、彼とのやり取りを積み重ねてゆく内に彼が正真正銘"猫"である事を思い知らされている様な気がしている。ゆらりゆらりと掴み所が無く、人懐こく近寄って来たかと思えばひょいと引いてみせるその姿勢――そんな彼に調子を狂わされているのは、最早否定出来ない事実である。この時代、染めようと思えば大抵の色には染められるのだろうが、それにしたって彼の髪はあまりに自然な鮮やかさをもっている。それは、此処が己の暮らしていた場所とは異なる場所なのだと言う実感を強め、その上まだまだ奇抜な容姿をもつ人物が存在するのだと言う事を明かされれば「…アンタで十分だ、」と疲れの滲むぼやきをぽつりと。折角否定した優しさも、彼の言葉が正論であっただけに今度は言葉に詰まってしまい「うるせぇ。屁理屈だ、そりゃ…」とせめてもの文句を返して。)
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