遥 2017-09-27 19:06:17 |
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【 小鳥遊 紗雪 】
( 一瞬だけ見えた寂しそうな瞳は気の所為だったのだろうか。──否、自分の稚拙な言葉では言い表せない、そんな複雑な感情を宿した瞳。寂しそうにも、哀しそうにも、逆に安堵した様にも見える其れは一瞬だった為読み取る事が出来なかった。少しだけ、何かしてしまったのだろうかという罪悪感にチクリと胸が痛む。だからと言って聞くのも憚られる雰囲気にこくり、と頷いて相手の後ろを着いて行き。
──あ、自分の車。なんて思ったものの、今日は車で来ていない事を直ぐ様思い出し。傷は治りつつあるものの、何かあってからでは遅いと電車で来た訳で。鞄に入れたままのキーを思い暫くはお休みだなぁ、なんて考えて。『 降谷先輩オススメの場所かぁ、楽しみだなぁ...。 』こんなもので気が晴れるとは思わないが、仕事終わりくらいはまったりすればいいのに、なんて。 )
【 安室 透( 降谷 零 ) 】
( やはり、知っていたか。憎く思う相手の名にマグカップを持つ手に力が籠る。ふ、と瞳に暗い影を落とすものの、だからといって相手に当たり散らすのは御門違いで。名を聞くだけで身体中の血が沸騰した様にカッとなり、つい険しい顔をしてしまうのは許して欲しい。自分の中では未だ消化し切れていない出来事を成る可く思い出さない様、深く息を吐き出して。
『 ──まだ、全てを信用した訳ではありませんが...僕も馬鹿ではありませんから、 』出来る限り調べてみますね、と。断りと共に立ち上がり、寝室から携帯を持ち出してくると何処かに掛けて。『 ──俺だ。風見、至急調べて欲しい事がある。朝倉ひなの、という人物の情報が欲しい。九州地方に住んでいる、歳は20歳前後といった所か。容姿は胸元までの黒髪なんだが..嗚呼、頼む。 』事細かに情報を告げ、通話を終わらせると相手に向き直り。今更取り繕っても相手は知っているだろうから、と口調は気にも止めず。『 一時間もすれば連絡が来るでしょうし、先に朝ご飯にしませんか?腹が減っては戦はできぬ、と言いますし。 』と。 )
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