遥 2017-09-27 19:06:17 |
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【 小鳥遊 紗雪 】
( 確かに期限を見る限り、今直ぐに提出しなければいけない書類は無く。これはきっと手分けして終わらせたのだろうと安易に予測がつく。然し、それでも遅れた分を取り戻したい、という気持ちは強く困った様に眉を寄せて。『 でも、 』なんて言い渋ってみたものの上司命令とまで言われてしまえば、厳しい縦社会を体現する組織故に従うしかない。『 わかりました、残りは明日します...。 』渋々、渋々といった表情で頷き自分も荷物を纏め始め。荷物、といっても小さな鞄に仕舞う程度の荷物しか無く、それももう殆どが中に入ったままで。携帯をスーツのポケットに入れれば退庁出来る状態になる。足元に置いた紙袋の中身はお見舞いの品々ではあるが、日持ちのする菓子や飲み物ばかりであるから置いていても大丈夫だろう。明日から徐々に消化していけば大丈夫、なんて思いながらも小言に耳を傾け。『 先輩にだけは言われたくないですよ、っ。仕方無いので今日はちゃんと帰ります。 』と返し席を立ち。 )
【 安室 透( 降谷 零 ) 】
( 結論から言えば現実味の無い、実に馬鹿馬鹿しい話である。探偵は真実を追い求めるものであって、非現実的なものを追い求める思想家でも物書きでもない。然し、自分にとっては真実でなくとも、ある人によっては真実に成り得る事柄がある。そう、誰かから聞いたことがある様な気がする。つまりは自分にとってどれ程非現実的な事象であれ、相手───この度は隣に座っている女性にとっては現実の範疇で起こった、非現実的な出来事なのだろう。
俄には信じ難く、鵜呑みにする程お人好しではないものの、だからと言って全てを否定してしまえばこの事象についての証明が出来ないのが現状で。黙って相手の話を聞いていたが、過去の話となれば当然今は亡き人物、スコッチのことも出て来るのだろう。幾ら知られているとはいえ、その話はあまり得意ではない。
神妙な顔付きで眉間に皺を刻んだまま、『 ───それでは、僕の本名と愛車の車種、車のナンバーはわかりますか...? 』と。確信を得る為には何か証拠が欲しい。ひと口珈琲を啜り、そう問い掛けて。もしかしたらその漫画にも出ていないかもしれないが、一応は聞いて見る価値がある。戸籍については後で風見に調べて貰えばいいだろう。再びくしゃり、と前髪を握り締め相手の返答を待ち。 )
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