ずっと好きだった子に勇気を振り絞って告白したけどダメだった。友達でいよう。そんな言葉が胸に深く突き刺さる。どうして僕じゃダメだったんだろう。僕はそんなにも魅力がないのかな。
《大丈夫、俺がキミを愛してあげるよ。ずっと、ずぅっと……。だから俺を見て……》
頭に直接響く声と、目の前の光景に声にならない悲鳴をあげた。鏡の中から僕が出てきた。驚いて尻餅をついた僕を《僕》が抱き締める。
《ようやく叶った。愛しい○○。○○を傷つけるすべてのものから俺が守ってあげるから。だから俺を愛して》
それは狂気に染められたもう一人の僕。
僕は《僕》から逃れることができるんだろうか。