道の両わきは、うっそうとした木立だ。なれない人なら、あまりの暗さに震え上がっていたことだろう。 でもスタンリーは、怖くもなんともなかった。 それどころか夜の闇は、大のお気に入りだった。長く伸びた下草やイバラを踏みしめる自分の足音が、耳に心地よく響く。 ザクザク、ザクザク、ザクザク。 スタンリーはふと、笑いがこみあげてきた。息子たちが小さいころは、家にもどる道すがら、頭の上のあの木のどこかに怪物が隠れているんだぞ、なんて脅かしたものだ。