躑躅 2017-07-01 16:50:17 |
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執事ノアの発言以降しん、と静まり返ったドア一枚挟んだ書斎が重苦しい。
『(父様…そんなに僕を側に置いておきたくないの?)』
一緒に行く。そう提案してから、アルトの居ない所での゙連れて行きたく無い"という父の言葉に哀しみという感情にアルトの胸は支配される。眉を下げ、ドアを見詰めていると一つの足音がドアへと近付いて来る。
『(…!父様に気付かれてしまう、又叱られてしまう。)』
慌てふためき、おろおろと辺りを見るも其処には誰か居る訳も無く。からからに渇いた喉を潤す唾も今は湧いて来ない、息を飲みドアノブを強く握るとアルトはそのまま勢い良く開いた。
『父様!ベリーを沢山摘んで来たよ、今マーシャに渡したんだ。今日のベリータルトはとても甘くて美味しいと思うよ!』
そして勢い良く父に飛び付いた。ジョージといえば、一瞬この世の終わりの様な驚いた表情を見せるも息子の言葉に数回瞼を瞬かせてはホッとした様な表情を見せた。
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