こちらを誘い込むような魅力的な香りはとても強く、自分を好きになって欲しいと懸命に主張してくるのに、 いざ口に含むとその香りはスッと何処かへ消えてしまう。 残るのは柔らかな水の感触と、喉を通る淡い花の香りだけ。 (紅茶のおはなし)