主 2017-05-09 18:12:38 |
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【物語】
時は現代。都会では個性的な服装を好む者や最新の機器を駆使して仕事を熟す者、異性を魅了し日銭を稼ぐ者等、様々な人が蔓延った世界。
一歩道を逸れ森へと入れば中世ヨーロッパを思わせる様な建物が在った。
其処は吸血鬼等の巣窟であり、吸血鬼の王が住まう寂れた洋館。姿形は数百年前の遺跡の様に古く汚れているが、吸血鬼の王が指を鳴らせば絢爛豪華な洋館へと変貌を遂げる。
吸血鬼の王は其処で迷い込んだ生娘の血を喰らい、何百年と生きている。
話は逸れたが此処はそんな吸血鬼の王と迷い込んだ娘、吸血鬼を狩る狩人と洋館を訪れる吸血鬼等が紡ぐ悲しくも愛おしい、恐ろしいお話である。
何百年と昔から吸血鬼は人の血を糧として生きてきた。本来吸血鬼は複数の女性から少しずつ血を抜き、記憶を消して姿を晦ますのが仕事であった。然し、時の流れと共に女性をミイラへと変える快楽殺人鬼が現れる。面白半分に血を抜き、苦しむ様を見て嘲笑する姿は正しく悪魔。そんな者達のお陰で吸血鬼=殺人鬼と定着し、そう言われた王は激しく激怒する。夕暮れ前に年頃の娘は部屋に篭もり、十字架を抱えて震えるお陰で餌も得られない。王は徐々に痩せ細り、軈て灰となって消えた。其れを間近で見ていた王の息子は悲しみ、そして激怒した。長い間の修行により大蒜は疎か十字架までをも克服した息子は新たな王となり、生娘を襲った。死の瀬戸際まで血を貪り喰う姿は正しく悪魔。人々は遠い土地に引越し、そして王は一人になった。息子は動物の生き血を啜り、何とか現代まで生き延びる。
然し、事はそう上手くは進まなかった。不味い動物の生き血を啜るなど、吸血鬼界最大の屈辱を味わった息子は水面下で其の怒りを増幅させていたが、ある時一人の女性と出逢う。
嫋やかで芯の強い、心優しい女性は吸血鬼の現王の怒りを鎮めた。常に傍に付き従い、王の言うがままに血を与えた。然し、それは罠だった。
女性は狩人教団屈指の凄腕ハンターであった。眠りについた王の胸元に銀で出来たナイフを突き立てる。痛みで目覚めた王は、初めて女性の裏切りに気付き荒れに荒れた。女性を掻き殺し、何度も鋭い爪を突き立てる。息絶えても尚、更に。
元より狩人教団は快楽殺人鬼と化した吸血鬼を粛清する組織であって、節度ある行動を取っている吸血鬼に対しては無関心な組織であった。然し、その件から全ての吸血鬼は粛清する対象となり、吸血鬼と狩人の溝は深まっていった。
話は現代に戻るが、何百年と生きた現王は眠りについていた。悲しみや怒りを増幅させ、とても深い眠りに───。然し、空腹はやって来るもので、耐えかねた王は目を覚ます。其処に何も知らない少女が迷い込み、王は自身がされた様に、最大の屈辱と絶望を与えてやろうと目論む。
水面下では狩人が王の目覚めを知り、狩ろうと動き始めていて────────
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此処は吸血鬼の王と旧知の吸血鬼達、迷い込んだ少女、狩人等のお話になります。
家出少女(仮定)は家に帰れない為、屋敷で住み込みの家政婦に。狩人は吸血鬼を全て殲滅する為、動き始める。吸血鬼の王は少女に絶望と屈辱を与える為に騙す。吸血鬼は自分や王を護るべく戦う。そんな流れになります。
基本的には戦闘とシリアスですが、稀にほのぼのしても良いかもしれません。
※特殊な絡み方の為、規約をしっかりとご覧ください。
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