匿名 2017-04-17 22:31:01 |
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「あ、出水さーん!」
「ん?……おー、ろんか。なんだ、やるか?」
「いやー、魅力的なお誘いではあるんだけど、それどころじゃなくってさ」
「?」
「うちの隊室来てくんない?」
「なんで?」
「ゆんが呼んでる」
「松岡がぁ?」
「うん。正直空気おもすぎてツライから1人で行ってほしい」
「え、なにがあったのアイツ。てかそういう状況なら俺じゃなくて奈良坂呼べよ」
「だってゆんが出水さんを呼べっていうんだもん。透くんはどうだか聞いてないけど、間違ってもコジさん呼んできたら殺すっていわれたから透くんもダメなんじゃね?」
「……隠岐を呼んだらだめで、俺をご指名、と」
「うん」
「了解、察した。すげぇいきたくねぇ」
「はいがんばってー!」
「お前そういうとこすげぇ姉ちゃんに似てるぞ」
「そっか!行ってらっしゃーい!」
「あーもうめんどくせ~」
コンコン、
「おーっす松岡、」
「入るな」
「は?」
「貴様がほんとに出水公平かどうか確認しなければならない」
「あ、じゃあ俺 出水公平じゃなくていいから帰っていい?」
「まぁまて。貴様が出水だということは実は知っている。あくまでも確認だ」
「さっさと入れろよ」
「あいことばを言え。……賭け事の賞品は?」
「あ、エビフライタルト食いてぇ。作ったか?」
「作るわけないでしょバーカ!!なに**ッとしてんださっさと隊室(中)入れボ ケ!!」
「お前ほんとそういうとこ直したほうがいいと思うぜ」
「うっせ!さっさと座れ!コタツあんぞオラ!!」
「はいはい。で、どうした?珍しく俺なんかを呼びだして。相談事なら仲良しの隠岐にすればいーじゃん」
「あーお前ほんとあとでぐちゃぐちゃにしてやるからな」
「言ってろB級」
「……」
「……」
「……」
「……で?」
「……ラブレターの件、覚えてる?」
「ああ、昨日のことだしな。さすがに覚えてる」
「そしたらね、」
「成功したか?」
「なんか無視されるようになった」
「あー、さすがに引かれたのか」
「やっぱり!?やっぱり引かれたのかな!?」
「ぶっちゃけ悪趣味だしな」
「ううっ、」
「奈良坂が優しかっただけなんだろうな。やっぱりお前の相手は隠岐じゃなくて奈良坂がピッタリだと思うぜ。ほらさっさとタルトつくって泣きつきにいけ」
「いやまずどっちもそういうんじゃないし……、奈良坂くんに関してはただの従兄弟だし……」
「従兄弟って発覚するまえは両思いだったのにな~」
「で、無視されてるわけなんだけど、どうしたら隠岐くんの機嫌とれるかな」
「謝ればよくね?隠岐は寛容なほうだし、謝ればすぐ許してくれるだろ」
「な、なにを謝ればいいんですか」
「なにをって……、あいつがどのタイミングでイラついたかによるよな。詳しく教えろ、アドバイスしてやっから」
「あーマジメシア。例のものを渡したのは、昨日の帰り道だったんだけど……」
「あ、あのー、隠岐くん」
「んー?」
「えーっとね」
「んー」
「……えっと」
「なんや急にモジモジして。らしくないな」
「いや、えっと~、……これ、なんだけど」
「? ……えっ、」
「いや、あの、なんというか、とりあえず受け取ってくれますか……?変に緊張が収まらないというか……」
「……え、いや、せやかてお前、は?」
「……」
「……お、あ、ありがとう」
「……」
「……」
「……えっ」
「……ん?」
「よ、読まないの?」
「えっ、いや、目の前で読まれたら恥ずかしいやろ」
「いやむしろ読みたいんだけど」
「自分これ読み返さんかったんか!?普通、誤字あらへんよなーとか、ちゃんと伝わるかなーって何度も読み返して恥ずかしなるもんちゃうん?」
「え、……?」
「なんでわからんの!?……なん、こ、ここで読めばええんか」
「あ、はい」
「……」
「……」
「なんで一緒になって読もうとすんねん!お前の羞恥の基準わからんのやけど!」
「え?え?」
「……は~、もうええわ」
「うん?」
「……」
「……」
「……は?」
「……いやー、すごい熱烈なラブレターだね」
「……」
「これはもう付き合うしかないのでは?安心して、これ渡してきた女の子チョー可愛かったから。隠岐の好みは知らないけど、おとなしそうな子だったよ。いいんじゃない、付き合えば?」
「……」
「……隠岐くん?」
「……なるほどな」
「?」
「うん、よーわかったわ」
「なにが?」
「お前がめっちゃ嫌なヤツってことがよーわかったわ」
「えっ」
「……」
「え、ちょ、待って隠岐くん、ちょっ!なんで逃げ、ぐふぅっ」
「……」
続く
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