フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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(まさかの言い分にふは、と笑いが溢れる。同じく態とらしく腰に手を当て肩を竦め「しゃあないな。そんなまでしてうちの顔使いたいほど気に入ってくれたんやったら、大目に見たるわ」台詞ばかりは小生意気な物言いだが、表情はケラケラと楽しげに緩んでいて。整った指先が髪へ伸ばされ、気付くとゆるりと結われていた。そんな事実よりも彼がひっそりと語った内容の方が気を引いた。月に負けぬほど光を反射して輝く瞳を真っ直ぐ相手に向け「うちも生きてく為に色んな事を見に付けたい。人生なにがあるか分からんもん。お兄さんが何でそんな手品みたいなこと出来るかは分からんけど、それがお兄さんの力になりますように」一つ一つの言葉をしっかりと紡ぐ。先ずもってこの国に来られたことが予想外の出来事で未知の領域なのだから。目の前の彼も色々と事情を抱えているのかもしれない。最後は祈りを捧げるように両手を組み瞼を閉じる。数秒黙祷し、ちらっと上目に彼を見ては悪戯に片目瞑り「幼気な乙女がお祈りしたんやから、効果期待しとき」笑いの空気に変えるべく、大見得切ってみせ。尋ねるように告げられた言葉にそう言えば自己紹介がまだだった事に思い至る。ぱっと姿勢を正すように立ち上がり、皺の寄ったスカートを片手で叩いて気持ち整え「初めまして、うちは帽子屋のお姉ちゃんの所にお世話なってるイ・ソヨン言います。宜しゅうね」最近覚えたばかりの淑女の礼をすべく、スカートの裾をつまみ軽く会釈を。挨拶が終わると握手を求めるように彼へ向けて片手を差し出し)
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