フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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リュカ:(時間にしてはほんの少ししか話していないが、それでも彼の人となりが伝わってくる。どこまでも彼らしい台詞に嫌な気分になるはずも無く、むしろ可愛らしく感じる。微笑ましげに小さく笑み刻むと、差し出していた手は素直に体の脇に下ろし、彼の言葉通りそっと隣へと並び立って。「分かりました。貴方と語らえるだけでも、私にとっては宝物のような時間なのですから」これ以上の無理強いはせず、ただ優しげに細めた瞳で相手を見詰め。彼という人を知れる時間はとても楽しく、素晴らしいものだ。「では貴方の事を教えて下さいますか?好きなものや嫌いなもの…。あぁ、国が好きとかはなしですよ。もっと個人的な嗜好について聞かせて頂きたい」先に釘を刺すように条件をつけては、ゆるりと首を傾げて返答待ち。彼の返答はまさに模範解答。何となく予測していた。「きっと貴方は赤の女王にとって、とても心強く頼りになる臣下なのでしょうね」それは本心からの感想。どんなに想って貰えてもそれは臣下としてのもので、それ以下でも以上でもない。「私はここに来る前、舞台で役として王を演じた事があります。ほんの数ヶ月の間でしたが、王とはとても孤独なものだと思いました。それでも毅然として、この国の事を考えられる赤の女王陛下は凄い」王とは国民にとっては象徴であり、国民にとって良い王ならばそれが誰でも構わない。そこに居るのに居ないような、まるで霧のように正体があやふやなもの。「貴方の期待を裏切るようで悪いが、到底私は女王陛下にはなれそうにない」ふるり、と首を横に振っては、静かな声音でそう言葉を落とす。誰かの思う理想の己を演じるのは常のこと。だがその根底には自分を必要として欲しい欲求があるから。女王陛下になったとして不特定多数から必要とされるが、特別に誰か一人から必要とはされない。ある意味では、それが自分でなくても"誰"でもよいものだから。期待されているからこそ、本当に申し訳ない、と整った眉尻を下げ。立ち上がった彼をそれとなく誘導するように人の波を抜け、着いた先は、ぽっかりと木々が拓け、夜空を見上げるのに適した場所。静かな湖面にも、鮮やかな花火が映って。「空を見るのも好きですが、私は湖面に映る花火も好きです」花咲く音を耳にしながら視線ばかりは上ではなく、映し鏡のような湖へ向けて)
ギール:(ふわりふわりと雲の上を歩いているような彼なのに、先ずは己に、と水を差し出す様子に幼げな子供の姿が重なる。場所も状況も違うのに、遥か昔の今はもう朧げな記憶が蘇る。最近はじわじわと追い詰められる様に消えていく記憶の欠片だが、彼の姿に不意に一つの場面が脳裏を鮮やかに照らす。っ、と鋭く空気を吸い込む音が漏れる。一瞬反応に遅れるが、歪みそうになる目元を見られないように片手で褒めるように頭をわしゃわしゃと撫でる仕草で彼の視線を己の顔から遮り。「っは、手に負えねえな」初心で純粋な存在こそがある意味で天敵。参った、お手上げだとばかりに一言ポツリと呟き。コップに口を付け一口水を飲んでみせると後は相手に押し付けるようにして「ほら、俺ァ飲んだから、とっととお前さんも飲みな」彼へも促しを。ひょいひょいと軽口に良い様に乗せられる様によくぞ今迄無事に生きてきたな、と見当違いな感想を抱く。「俺から勧めといてなんだが、少しは警戒心ぐらい持てよ。そんな酔っ払ってたら俺みたいな男にペロリと食べられちまうぞ」こんな忠告をする己もどうかしている。人差し指でピンと彼の額を弾き、彼の手の中にある飲み物を取り上げては代わりとばかりに綿菓子をその手に。掌に触れた肩は細く自身に比べたら華奢だ。だが名前の通り泳ぎは得意なのだろう、しなやかな筋肉がついている。「お前のは泳ぎに最適な筋肉がついてるだろうよ。俺のは…否、何でもねえ」無垢を象徴としたような相手を目の前に、生きる為に必死に身に付けた等、少しでも陰惨な空気を滲ませる話題は口にしたくない。常のスケベったらしい表情をのせては「抱く側としてはコレぐらいが腕ん中におさまって丁度いいぜ」ガハハ、と品なく笑ってみせ。やる気に満ちた彼を止める方が面倒臭そうだ。彼の好きにさせる事に決めたのか大人しく任せては、己はガブガブと強い酒を飲みくだし)
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