フラミンゴ 2017-03-30 08:35:20 |
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__、子供みたい。いや、子供、子供だった(訴えられたのは鈍感な感性にもひしひしと伝わる不満の感情で、無邪気なまでに真っ直ぐ伝えられたことが何だか擽ったさを覚えさせる。普段個人行動が多ければ誰かと共に時間を過ごすと言う経験が希薄であり、今だって尚、そんな今更過ぎる実感を呟いてしまう始末である。一緒に居て良くも悪くも、気を使っている感覚が無い。それは暗に彼女が不自然な沈黙を破ってくれているからだと自覚が有り、率直すぎる言葉が一層嬉しさを募らせる。細い指先が花を摘み、器用な動きで何かを作り上げている。その様子を眺めるだけでとても楽しく感じてしまい、つい目線が外せられなくなった。少しずつ作られていったのは何とも可愛らしい色合いの花冠、選ばれた色は青が多かった。アリスならもっと明るい色の方が似合うよ、と余計なお節介がつい頭に浮かぶ。余計なひと言を飲み込んでいると、完成したばかりの花冠は自分の頭に運ばれていた。驚いた、と言う様に薄く唇を開くと折角綺麗に作られたそれを崩してしまわないよう、ほんの少しだけ指先で触れる。何か感想を伝えようと顔を上げた時には、作り主である彼女の姿は目の前に無く、夏らしい台風にでも会ったかのような賑やかさについ笑みが零れ落ちた。片手の甲を反射的に口元に宛がったのは、自分自身今笑みが顔を突いた余りにも自然すぎる流れに驚いたからか。再び手を下すと、時折楽しげなその姿を眺めつつ今し方の彼女の手の動きを真似ながら花を摘んで編んでいく。今まで作ったことの無い作品だからこそ所々跳ねていたり曲がっていたりと違和感があるが、選んだ花は明るい黄色に鮮やかなピンク、いずれも眩い彼女に合うようなはっきりとした色合いの物。花冠はまだ少し練習が足らないと懸念したか、出来上がったのは少し小ぶりな花で編まれた腕輪で。「アリス、おいで」子犬のように花畑を楽しむ彼女を呼び止めれば空いている手で手招きを行い「返却は却下、でしょ」先の言葉を真似した一言を添えてそれを差し出して)
(/いえいえ!お忙しいときはお互い様ですとも!、此方こそこれからも交流して頂ければ嬉しいです!!、それでは背後は一旦消えますねっ。また何かありましたらいつでもどうぞ!)
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